193回国会 環境委員会 第3号 平成二十九年三月九日(木曜日)    午前十時開会



○芝博一君 民進党の芝博一でございます。
 久しぶりに質問をさせていただきますけれども、まず、今この国会の中で、そして連日マスコミで、そして国民の皆さん方が一番関心を持っていること、これはまさに森友学園のもろもろの問題であります。
 御存じのように、払下げに関する不透明な部分、さらには虚偽をもっての学校認可の申請の部分、さらには教育基本法に違反するような教育内容、また産廃の処理等を踏まえて、毎日毎日新たな事実が出てきています。私たちは、この問題を、この闇を解明するためにも、何としても籠池理事長を始めとする当時の理財局長や関係者を是非この国会に参考人として招致をして、その闇を解明しなければならないと要求をしておりますけれども、残念ながら与党からは今日現在前向きな回答を得られていないことを大変残念に思っています。
 今日は、その中でもこの環境委員会に関係をする産廃の処理問題について少し議論をさせていただきたいと、こう思います。
 山本大臣は、さきの会見で、二十七日に産業廃棄物処理法に基づく現地調査をした豊中市からの結果を聞き取りをすると、こう発言をされていますけれども、聞き取りはされたんでしょうか。イエスかノーかで。
○国務大臣(山本公一君) いたしました。
○芝博一君 それじゃ、豊中市の結果、その概略を説明ください。概略を、ポイントだけ。
○国務大臣(山本公一君) 豊中市において関係者への指導がなされているということを豊中市の方から伺っております。(発言する者あり)
○委員長(森まさこ君) 大臣、もう一度答弁を願います。
○国務大臣(山本公一君) 豊中市の方から、関係業者と接触をして、その結果についての報告を受けております。
○芝博一君 私はその結果の中身を聞きたいんです。
 今現在、現地から、建設現場から出てきた産廃土、この工事に携わった京都府の処理業者は、建設現場から掘り出したごみの一部を、産廃土を敷地内に埋め戻したという証言がある。対して、学園側や元請の、吹田市にあろうと思いますが、施工業者はこう言っているんです。産廃土を仮置きしている、産廃土の地下を再び掘削をして、一部の産廃土を縦積みにする形で仮置きしたと、こう主張しています。
 全然整合性が取れないから二十七日に豊中市は現地調査に入ったと、こう思っていますが、そこの部分を的確に答えてください。
○国務大臣(山本公一君) 豊中市の方からは、工事関係者への聞き取りを二月二十七日に……(発言する者あり)ええ。保管基準に基づく掲示板を設置すること等を指導をしたということを聞いております。
○芝博一君 そんなことは分かっているんです。私は、現実的に現地にも入っているんですよ。現地がどうなっていたかということを豊中市からどう的確に聞いたか、そこを教えてほしいんです。
○国務大臣(山本公一君) 先生の御指摘ではございますけれども、現時点では豊中市からは何らかの違反があるとの情報提供は受けておりません。
○芝博一君 現実を知って違反かどうかは確認するんでしょう。今私が指摘したように、現実に産廃土を処理した業者は埋め戻しをしたと、こう言っているんです。
 埋め戻しが仮にあったとしたら、これは法令違反になりますか、なりませんか。
○国務大臣(山本公一君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、先生の御指摘のような廃棄物を地中に保管すること等々は、一般論で申し上げますと、廃棄物の保管方法が廃棄物処理法に定める基準に適合しているときは問題ありません。
 いずれにしても、本件事案については豊中市において適切に判断されるものと思います。
○芝博一君 大臣、当然ながら、この第一次は豊中市です、産廃業者の行政の事務は。しかし、大臣は会見で、技術的な助言も行う、相談があれば協力もすると言っているんですよ。そんな中で第三者的な発言をしてもらったら困る、こう私は思っています。
 ところが、施工業者や森友学園、こう言っているんです。積んである産廃土のその下をまた掘って、産廃土の下ですよ、掘って、新たに出てきた産廃土をその下に埋めた。二重構造。普通しますか、そんなこと。新たに出てきたら、その周りに積むか、上に積み上げるんですよ。向こうの主張は、だから仮置きのためにそうしたんだという理屈付けなんですけれども、そんなこと、環境大臣、常識的に考えられますか。
 そして、この仮置き、今言ったように間違いなく仮置きなら表示、看板が出ていないことは事実でしょう。ここも違反していますけれども、現実的にもっと的確に確認してくださいよ。
○国務大臣(山本公一君) さっき技術的助言というのを私が発言したということでございましたが、助言とは申し上げましたが技術的という言葉は使っておりません。それはまず一点御確認を。報道ではそのように書かれましたけれども、私の記者会見の……(発言する者あり)はい。
 それで、御指摘の件につきましては、何度も申し上げて恐縮でございますけれども、廃棄物処理法上の指導監督権限を有する豊中市において引き続き適切に対応されるものと承知をいたしております。
 環境省としましては、豊中市から廃棄物処理に関して御相談があれば、必要に応じて助言等を行ってまいりたいと思っております。
○芝博一君 今回、これが大きく問題になっている部分でも、豊中市から相談がなければ、環境省としてはある意味では指導的な立場で相談に乗る気がないという、そういう後退的な発言でよろしいですね、今の発言は。
○国務大臣(山本公一君) 繰り返しで恐縮でございますけど、一義的には豊中市が適切に判断されるものでございますので、豊中市の方から御相談があれば環境省としてのしかるべき措置をとりたいと思います。
○芝博一君 しかし、先ほどの部分で確認はしていますと言ったでしょう、環境省、今回の二十七日の立入調査の結果について。関与をしているんですよ。関与をしておかしいと思うところがあったら、当然、国の行政、産廃業者をつかさどる行政機関の大臣として適切に指導するのが筋じゃないですか。もう一度。
○国務大臣(山本公一君) 豊中市からは情報提供はいただいているということでございます。
○芝博一君 それは分かっていますよ。先ほどからの質問もありました、京都議定書から環境行政に富んだ山本大臣という発言もありましたから、改めてその熱意のほどを知りたかったんですけれども、まるで第三者的な答弁で、大変私は落胆をしております。まさにその思いが参考人招致のその思いにもつながっているんだろう、賛成しないというその部分にも、全体的な部分になっているんだろうと、残念ながら政府の姿勢をそう判断させていただきます。
 ところで、二十八日以降、この産廃土を処理して排出すると、こういうことで、森友学園、業者が発言をしていますが、現地の把握をしていますか。(発言する者あり)
○委員長(森まさこ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(森まさこ君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山本公一君) 豊中市がこの件について公表した件については承知をいたしております。報道提供資料ということでございますが、森友学園建設工事に係る産業廃棄物処分業者との契約について云々ということを発表いたしております。それは承知をいたしております。
○芝博一君 ちょっとよく説明が分からなかったんですが。
 現実的に、大臣、二十八日、学園側からは選別をして搬出をしたい、こういう発言というか、ホームページもありました。ところが、現実的には選別はしているけれども搬出する業者がいないんですよ。処理場はありますよ。だけど、産業廃棄物を、免許を持った搬出業者が見当たっていない。まさにこんな問題が起こったから誰も乗ってこないんです、搬出について。
 現実的に産廃土の処理は進んでいません。そこの認識はお持ちですか。
○国務大臣(山本公一君) 搬出開始日については、今のところ未定であるということは聞いております。
○芝博一君 そうするうちに刻々と時間は迫っています。この小学校の学校認可の申請の部分の書類提出を大阪の知事は三月の十四日までと期限を切りました。そして、この国有地の払下げの契約には、学校建設をして、そこにある産廃土を処理をして、履行がなければ不履行として、こういう条項が入っています。
 想定の部分で申し訳ないんですが、恐らく今のこの状況から見ると、私はこんな人に、こんな学園に学校をつくらせることは反対です、個人的には。現状を見ても、恐らく学校建設、その建設はできているけれども、設置そして開校、そして生徒の募集等々できないだろうと、こう思いますし、今の状況のままでは残された産廃土、搬出もできない、処理もできない状況。
 恐らく、契約不履行になったら理財局は買い戻すことも可能だと、そういう契約になっていると、こう言っているんです。ところが、土地は買い戻す、そのときに建物は壊して原状回復だと、こう言っているんですけれども、買い戻したとき、若しくは、買い戻せなくても、そのまま森友学園が所有していても、産廃土の処理はどうしていくんでしょう。そこのところ、高所大所から国として豊中市に相談をする、協力をする、技術的アドバイスをする、そんな姿勢はおありですか。
○国務大臣(山本公一君) 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、豊中市さんの方で御判断をされまして、そのことにおいて環境省が助言をいたす場面はあろうかとは思いますが、現時点ではそのようになってきておりません。
○芝博一君 大変熱意に欠ける、今、参考人招致と同じような態度の返答をもらいましたけれども、大変落胆をしております。
 しかし、国政の中でもっともっと我々は確認をしていきますし、そしてマスコミも世論もそのままでは放っておかない。やっぱり国の環境行政に対する姿勢が問われてくるんだろうと思っていますから、是非山本大臣には熱意を持って、大臣の思いを持って省庁を動かして、反対に豊中市に、ある意味では前向きな形での技術的助言、進言をしていただくことを今日は要望をしておきます。
 時間の関係がありますから、続いての質問に入りたいと、こう思います。
 パリ協定についてお聞きをしたいと思うんですが、大臣は、おとついの所信の中で、環境行政の柱、これは当然ながら、東日本からの復興と創生、それから環境、共生の循環型社会をつくる、当然であります。力強く、もう待ったなしの地球温暖化対策をしなければならないと、こう言っています。昨年は、パリ協定が早期に発効するとともに、COP22において、各国が一致団結して温暖化対策に取り組むという固い決意を確認した年でありましたと、こう表明をされました。ところが、現実のように日本はこのパリ協定に乗り遅れました。パリ協定に乗り遅れて参加できなかった要因は何と大臣はお考えですか。



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